肺炎ってきくと、風邪をこじらせてなるやつねって思うと思いますが、夏特有の肺炎というのがあるようです。夏型過敏性肺炎っていいます。風邪と思って安静にしていたけど、なかなか治らないというときにはこちらを疑ってみるべきです。
風邪とわかりにくいのが夏型過敏性肺炎です。せきやたん、微熱、頭痛など風邪と同じような症状が出ます。ひどいときには命の危険もあるので、注意が必要です。
なぜ、夏に起こる肺炎なのかというと、実はこの肺炎、カビが原因なんです。高温多湿の環境を好むので、ちょうど5月頃から10月まで要注意です。これは日本独特ともいえるようで、このカビ自体は、欧米では見つかっていないよう。カビが生育しにくい環境なんでしょうね。そういう意味では、日本ってけっこう暮らしにくいのかも。
おまけにこのカビ、日本建築に発生しやすいんです。湿気の多い場所や腐った木に生息しやすいので、築年数の古い木造住宅や池や沼の近くに住んでいることでリスクが高まります。つまり、人を守るべき家が、かえって人の命を脅かすってことがあるんですね。家のカビが原因なので、室内にいる時間が長い専業主婦などにかかりやすいというのも特徴のようです。いずれにせよ、家が問題なら、家族でかかる可能性が高いので、それも1つの目安になるのかも。
肺炎は風邪がひどくなるとなると思われがちです。この夏型過敏性肺炎も夏が終わると勝手に症状が和らぐようです。だから治ったと思うようなのですが、実はそう簡単ではないようなんです。しっかりと治療をしないでほっとくと、毎年発症し、何年もかけて悪化し、重症化すれば肺が硬くなっていって、呼吸がしづらくなるという後遺症も。甘くみていると、後々後悔しそうです。何より原因物質を取り除くことが大事でしょうね。
カビを発生させないためにも、お掃除は大事です。ほこりで人は死なないという言葉がありましたが、最近はそういえないのかも。特に湿気の多い時期は、食中毒などの問題も多くあるので、やはりきちんとしておくべきなんでしょうね。